麻木久仁子の面接授業 体験リポート
~第7弾「漢方と未病」~
麻木久仁子さんの面接授業リポート第7弾。今回は「漢方と未病」(千葉学習センター/喜多 敏明・辻仲病院柏の葉 漢方未病治療センター長・一般社団法人漢方未病教育振興協会 理事長)に参加していただきました。過去にリポートしていただいた面接授業と違い、今回は座学形式の授業。授業終了後には、喜多先生と千葉学習センターの高橋所長にもお話を伺っていますので、どのような面接授業だったのか、さっそくリポートしてもらいましょう。
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期待に胸をふくらませ、千葉学習センターへ
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今回は前回に引き続き、放送大学本部のある千葉県千葉市へ向かい、千葉学習センターで面接授業に臨みました。科目名は「漢方と未病」ですが、私は脳梗塞と乳がんを経験してから「東洋医学」に興味を持ち、本格的に「薬膳」を学んだ経験もあるので、同じ東洋医学の「漢方」には非常に興味がありました。今回は、面接授業が大人気で、抽選から漏れる生徒もいるほどの喜多先生の授業と聞いて、さらに期待は高まります。それでは、面接授業の興奮と感動を、皆さんにもシェアしましょう。
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喜多 敏明 先生(辻仲病院柏の葉 漢方未病治療センター長/一般社団法人漢方未病教育振興協会 理事長)
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座学だけの面接授業。でも、皆さん真剣!
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私が過去に経験した面接授業は、顕微鏡観察があったり、接ぎ木実習があったりと、数人のグループに分かれて、自分で何か作業をする授業だったのですが、今回の面接授業は座学形式でした。そのため、先生は前に立ってスライドとマイクを使って授業をし、受講生は皆席について講義内容を聞く、という体制。周りの受講生たちとおしゃべりをしながら受ける授業もいいのですが、自分の興味あることに集中して知識を得る感覚は、座学ならではの良さを感じました。
放送授業と違うのは、同じ空間にいる受講生たちの真剣さが伝わってくるところ。実際に休憩時間に入る前は質問タイムになるのですが、そこでは多くの人が手を挙げて質問していましたし、休憩時間に入っても先生に個別で質問する人もいたりして、「自分の意思で学びに来ている!」という空気感が感じられて、私も自然と身が引き締まりました。 -
真剣な受講生に囲まれて
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長くても、関心ある授業であれば苦にならない
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私が授業を受けた時間は合計140分ほどでしたが、先生はもっと長い時間講義をされていますし、私以外の受講生も長時間真剣に講義を聞いていました。この面接授業は2日間にわたる長丁場なので、先生も受講生も本当にタフですね。もちろん、関心の高い授業を遠方から聞きに来る受講生にとっても、自分の知識を多くの人に広めたい先生にとっても、2日間にわたる授業が苦になることはないのでしょう。
座学形式の授業が終わって、喜多先生と高橋所長にお話を聞くことができました。良い機会なので、漢方について、また放送大 学について、詳しく聞いてみましょう。 -
身が引き締まって、自分も自然と真剣になる
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「素人」だからこそ、柔軟に学べる強み
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私はこれまで薬膳の勉強をしてきて、東洋医学の基本概念である「気血水(きけつすい)」については、なんとなく理解している つもりでした。でも、喜多先生の授業を聞いて、まさに「目からウロコ」!今までふわっとしていた概念が、先生の言葉ではっきりと「言 語化」されたんです。「最初からこう言ってもらえれば、私の10 年はもっと早かったのに!」と思わず笑ってしまうほど、ストンと 腑に落ちました。
麻木: 先生、「一般の人の方が漢方の概念を理解しやすい」というお話がありましたが、どういうことですか?
喜多:実は、西洋医学の専門家であるお医者様の方が、漢方を受け入れるのが難しいことがあるのです。頭が完全に「サイエンス」 で出来上がっているので、「気(き)」と言われただけで「そんなものあるわけない」と拒絶反応を示してしまう。
麻木: ええっ、そうなんですか?
喜多: 逆に一般の方は、そこまで凝り固まっていないので、「そういう考え方もあるよね」と柔軟に受け止められるのです。今日の 私の説明で、西洋医学的な知識がない方の方が、すっと理解できる体系になっています。
高橋:放送大学の学生さんは、他の大学の学生よりもさらに「素養」が違いますね。サイエンティフィックな学びや健康について、 他ですでに学ばれている方が多い。
麻木: 分かります。「受け身」じゃないんですよね。わざわざ遠くから交通費や宿泊費をかけて来ていますし、居眠りもせず必死 に聞いていますから(笑)。 -
喜多先生(左)・麻木さん(中)・高橋所長(右)
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「未病」への関心と、自分の健康を自分で守る意義
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麻木: コロナ禍を経て、「未病(病気になる前の段階)」や健康維持への関心はますます高まっています。先生は、医療とセルフケアの役割分担についてもお考えがあるとか。
喜多: 医師ができるのは「病気を治す」ことだけです。その手前の「未病」の段階、あるいは治った後の「健康維持」は、患者 さん自身がしていかなければならない。そこを支えるのが漢方の考え方なんです。
麻木:お医者様に任せきりにするのではなく、「自分のチョイス」として学ぶ意義はすごくありますね。特に私たち40 代以降の世代は、 西洋医学と漢方、それぞれの可能性を感じている世代だと思います。
喜多: 放送大学では面接授業だけを受け持っていますが、漢方未病教育振興協会では「漢方未病養生塾」をやっていて、放送大学受講生で、面接授業を受けることができない生徒さんもオンラインで参加することができます。無料ですから、ご興味があればさらにそこで学んでください。※参考リンク: 漢方未病養成塾 https://kampo-mibyou.com/kamiyo-juku/ -
経験豊富な社会人学生が「謙虚な新人」になれる場所
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麻木:私が放送大学に入って常々感じていることなのですが、社会人として長く生きていると、職場では年上になり、素直に新しいことを受け入れるのが難しくなったりします。でも、ここ(大学)に来れば、私は「何も知らない新人」。「教わりに来たんだ」という謙虚でフレッシュな気持ちになれるんです。
高橋:放送大学の学生さんは本当に熱心です。他の大学だと質問も出ないことがありますが、ここでは「先生、授業をこうすればもっと良くなりますよ!」なんて改善案をくれる方もいて(笑)。「学びたい」という熱意が伝わってきます。
麻木:まさに「学び屋」ですね。先生や他の学生さんと直接会える面接授業は、やっぱり熱気が違いました。
今回の授業を通じて、知識が増えたことはもちろんですが、「学ぶこと」へのエネルギーを改めてチャージできた気がします。皆さんも、ぜひ面接授業でこの「熱気」を体感してみてください! -
受講生の皆さんありがとうございました。
本記事は麻木久仁子氏の了解の下、放送大学学園の企画・編集にて掲載しています。